機械の目。

ただのオタクの記録。偏見を持たれがちなサブカル話を唐突にする。
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偏見を持たれがちなサブカル話を唐突にする。
この扉は開く。

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血液検査だの内診だのと看護相談以外にも待ち時間があったので、ぜんぶ終わったのはそれこそ外来自体が終わる17時でした。

今回の手術で摘出した臓器の、癌の進行度というか侵蝕率というかの結果は、14/29。
これが、発覚や手術する決断が遅かったりして15/29になっていたら、あと1、進んでいたら、手術後も抗がん剤治療をやっていく事になっていたそうです。
つまり私はギリギリで抗がん剤を免れたと、本当に本当のギリギリで間に合った≠フだと、医師から笑顔で言われました。
そんなに何度も言うほどギリギリだったなら何か悪影響があるんじゃと訊ねたら、全摘手術によって癌そのものが身体から取り除けたと考えて良いのだそうです。
少しでも残していたらアウトだったからやはり残せなかった、手術に対する決断が早くて良かったとまで言われた。まあ癌が見付かったのって7月なので3ヶ月はあったわけだけど……。
癌は悪性ではあったけれどタイプとしてはいちばんおとなしく、転移や再発のリスクが低いため抗がん剤は必要なく、血液検査の結果も良好、次回の受診は1ヶ月後……つまり総じて経過観察でよい、との診断を頂けた。

主題が手術の傷の経過にシフトしたので傷も痛いけど傷じゃない部分がやっぱり痛むと伝えたら、身体の中を切ったり縫ったり弄っているから人によっては2〜3ヶ月くらい続くかもしれないと言われてげんなりした。そんなに痛いのいやだなあ……。
痛み止めを飲んでいるか訊かれたのでちゃんと間隔を6時間以上あけて数も守ってるのを伝えたのに、「ものすごく胃に穴が開きそうな、かなり胃が荒れる飲み方をしてる」と言われて処方薬に胃薬が増やされた。解せぬ。
もともと入院中から痛み止めが2種類出ているんですが、強い方の後に弱い方を挟む間もなく6時間以上経ってるからと強い方だけ飲んだりしてたのを、医師としては弱い方に移行していきたいらしい。そんなに強い薬だったのか……。

看護相談は看護師さんが入院中に担当してくれた人のひとりだったので、今更気持ちやら事情やらその後の心境やらを入院前の看護相談の時みたいに掘り返される事もなく、リンパ浮腫や感染予防の話だけで済んだのでほっとした。



でも、今回の診断を受けて、入院前から感じていた事はきっとその通りなのかもしれないと思った。
私が自分に対して生きててもいい理由にしていた免罪符だけが、それだけが、ほんとうにきれいに、きれいに、尾も引かずにそれだけが全て失われたのが、お前には、お前の人生にはもうコレは要らないって、取り上げられたみたいで。
まるでその免罪符そのものが癌だったみたいで。
だって失う事が決まった時、真っ先に、ああ、生きておく意味がなくなっちゃったな、ただでさえ出来損ないなのに本当にゴミになっちゃうんだなって思って。自分のために生きるだとか生き方や幸せはひとつじゃないだとか、人に対してはいくらでも同意できて納得できて背中を押せることが自分に対しては全然ピンとこなくて適用外で、自分で自覚してた以上に私は私が要らなかったんだなあって思って。育ててくれた父に消費させた人生を無駄にしない事だけが次に命を繋いで報いる事だけが私が自分に与えることのできた唯一の生きてていい理由だったのに。
だから、今回の件は、まるでその人生観を矯正されたみたいで。
お前はその免罪符を抱えている限りその生き方しか出来ないのなら、じゃあもうその『言い訳』はお前がお前の人生を生きるのには不要だ、って、強制的に剥奪されたように思えてしかたないんですよね。
癌と化して、まるごと摘出したらそれだけで終わりになったのが、本当に、ピンポイントすぎて。
まるで私の人生から取り除くためだけに癌化したみたいに思えて、いっそ笑えてしまう。こんな暴力的な方法で矯正しなくてもいいじゃない、神様。

病院の自動ドアに書かれた『出口』の文字が、いやに心に沁みた。
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